じっと手を見る

「もう、どれ程の時間が経ったのだろう、既に見当もつかない。」 弱々しく差し出した右手がサラサラと砂のように先から零れ落ちていった。どうやらこの体も限界のようだ。私がこの世界に生まれ、最初の5年間は幸せに満ち溢れていた。温かな両親に恵まれ、小…

唐突に

http://d.hatena.ne.jp/dangerous1192/20080106/p1#seemore こちらの企画に参加しようと思いながらもそのまま期限が過ぎちゃったので、適当に纏めておいたのとここに書き連ねておいたり。 ヤスイリオスケ「エロマンガみたいな恋しよう」 友人から「性格と違…

包丁

ダンッ! ダンッ!という何かを叩き割る音を一定のリズムで響かせながら、私は考えずにいる。 音の正体は戦車のキャタピラを出刃包丁で一定のサイズに切り分けているからで、その作業を私は何も考えずに出来る位に習得していた。一応は職場で「熟練」という…

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ああ、君が来たという事は「もう」 いや 「ついに」なのだね。ん? なんというのかな、「あの時」から短かったとか長かったというよりも、今は「ああ、今日で終わりなんだ」という唐突な驚きに満ちているよ。勿論、たった一つの出来事で全てが変わってしまう…

所信表明演説

特になんもねーなぁ。本当に何も無い。まぁ、それはつまり、逆に言うと君という存在さえ居れば他がどうなろうとあまり関心が無いって事さ?とかバーのカウンターだったら言うところなのだけど、あいにくここにはヘラヘラ笑ってる人間には全く何も無い。虚無…